2004年4月22日(木)17:59

シュレーダー首相:「欧州憲法に関する国民投票は不要」

ベルリン/ブダペスト(AP)

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はEU憲法を問う国民投票の必要性を認めていない。EU憲法の批准が議会の手続きによろうが国民投票によろうが、私はまったく違いを認めない、と首相は木曜日、ベルリンで開かれたシンポジウムの席で述べた。個々の加盟国の選択に任されている手続きの如何に関わらず、「結局のところは、広い公の議論を求め、また求めうる民主的な決定が問題となるのだ」と首相は主張した。

しかし、テレビ局N24の委託でフォルサ社Forsaが行った世論調査では、ドイツ国民の三分の二以上が国民投票に賛成している。対象となったおよそ1000人のうち、69パーセントは国民投票を支持し、反対は25パーセントにとどまった。

イギリスのトニー・ブレア首相は火曜日、EU憲法を国民投票にかけると発表して驚かせた。フランスのジャック・シラク大統領は国民投票の選択については態度を表明していない。ドイツでも国民投票を巡る議論は再燃した。自由民主党(FDP)は連邦議会に国民投票を求める動議を提出する意向である。しかしドイツ政府はすでに水曜日の段階で、「国民投票はまったく」検討外であると表明している。

5月1日の新規10ヶ国への欧州連合の拡大について、シュレーダー首相は「途方もない歴史的好機」と評し、これを「つまらない懸念」で逃すようなことがあってはならないと述べた。二度の悲惨な大戦を経たヨーロッパ大陸の分断は、これにより最終的に過去のものとなる。EU拡大の好機は、たとえば経済分野の問題など、あらゆる困難な問題を凌ぐ重要性がある、と強調した。

ドイツのヨハネス・ラウ大統領も水曜日、公式訪問したハンガリーで同様の発言を行った。「欧州連合は経済圏以上の意味を持つ。これは価値共同体なのだ」と大統領はブダペストにあるドイツ語のアンドラシー大学で演説した。大統領は、これまでのEU拡大がすべて成功の歴史であったことも指摘した。

欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長は、EU憲法が6月末までに採択されるとの見込みを表明した。「確信ではないが、かなり高い可能性があると考える」と委員長はイタリアのラジオ局に語った。

EU議長を務めるアイルランドのバーティー・アハーン首相も欧州憲法の速やかな採択を求める発言を行った。プラハのチェコ上院での演説で、EUはEU拡大や世界的なテロの危険に伴うさまざまな変化に適応する必要があると述べた。あわせて首相は、EU加盟が国家主権の放棄につながるとの見方を否定した。EU加盟はむしろわが国が完全な主権を回復するのを助けてくれた。「EUに加盟する前は、私たちはヨーロッパの端の孤立した国民だったのだ」とアハーン首相は語った。

原題:Schroeder: Volksabstimmngen ueber EU-Verfassung nicht notwendig




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